AI活用の成否は「プロンプト」だけでは決まらない。AIの力を120%引き出す「三者モデル」と、その要となる「先生」の傾聴術。

AIコンサルティングの現場で、こんなミスマッチが起きていませんか?

「AIに相談したのに、的外れな答えしか返ってこない」 「AIが何を言っているのか、難しくて理解できない」 「コンサルタント(先生)が、AIの出した答えをそのまま鵜呑みにしている…」

AIは高速な知識とアイデアの源ですが、万能ではありません。「文脈が読めない」「責任が取れない」という明確な弱点があります。

このAIの力を最大化し、弱点を人間が補う理想的な形として、私たちは「三者モデル」を提唱しています。

  1. 質問者(悩みの当事者)
  2. AI(高速な知識とアイデアの源)
  3. パートナー先生(対話の進行役・翻訳者)

このモデルの最大のメリットは「高速で質の高い課題解決」です。しかし、同時に「コミュニケーションのミスマッチ」という大きなリスクも抱えています。

質問者が本音を言えなかったり、先生が質問者の悩みを理解しきれなかったりすれば、AIがどれほど優秀でも成果は出ません。

目次

このモデルの「要(かなめ)」は「パートナー先生」

この三者モデルの成功は、先生が「質問者」と「AI」の間で、どのような「ハブ」として機能するかにかかっています。

先生の役割は、AIを使いこなすこと(対AI)以前に、まず「質問者」の本当の課題を引き出すこと(対人間)にあります。

今回は、このモデルの土台となる「先生から質問者へ」のコミュニケーション術について、3つのステップで解説します。


良い点を最大化する三者間コミュニケーション術

1. 【先生 → 質問者】のコミュニケーション

目的:心理的安全性を確保し、「本当の課題」を深掘りする

AIとの対話を始める「前」が、実は最も重要です。 先生は、AIの操作スキルを見せる前に、質問者が「ここなら何でも話せる」と感じる心理的安全性に満ちた場を作る必要があります。

① 徹底的な傾聴と「あいづち」

まず、AIを起動する前に、先生は質問者の「モヤモヤ」をすべて聞くことに集中します。

「なるほど、そうなんですね」 「それは大変でしたね。それで、どうなりましたか?」

ここで重要なのは、評価や結論を急がないこと。先生が「この人は自分の話を真剣に聞いてくれる」という信頼関係を築くことで、質問者は初めて本音を話し始めます。

② 思考を整理する「言い換え(パラフレーズ)」

質問者の話が一通り出たら、先生はそれを整理して「言い換え」ます。

「つまり、今一番悩んでいるのは『新規顧客へのアプローチ方法』ということですね?」 「『A案とB案の2点で迷っている』という理解で合っていますか?」

この「言い換え」によって、質問者自身も「そうそう、それが言いたかったんだ」と頭の中が整理されます。そして、先生との間に「課題の共通認識」が生まれるのです。

③ 核心に迫る「なぜ(Why)/具体的に(How)」の質問

共通認識が生まれたら、さらに一歩踏み込みます。

「なぜ、そのアプローチを考えるようになったのですか?」 「『最近うまくいかない』とは、具体的にどんな状況ですか?」

表面的な悩み(例:「売上が低い」)の奥には、必ず本当の課題(例:「実はリピーターが来ないことが一番不安だ」)が隠されています。


まとめ

AIを最大限に活用する「三者モデル」において、先生の最初の仕事は「AIに触ること」ではありません。

まず質問者と深く向き合い、徹底的に傾聴し、思考を整理し、核心的な課題を「二人で」特定すること。

この人間同士の深い対話があるからこそ、先生は初めて、その課題を解決するための「最適なプロンプト」をAIに投げることができるのです。

AIの回答の質は、その前段階である「人間の対話の質」によって決まります。

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